野球と違って、ソフトボールはリードができません。 塁間が狭いので野球と同じようにリードをすれば盗塁は殆どセーフになってしまいます。 ただ、厳密に言うとリードがない訳ではありません。 投手の手から球が離れたと同時に離塁(ベースから離れる)はでき、捕手からの返球の隙をついてディレードスチールも可能です。 |
離塁に関する基本ルール |
・走者は投球が投手の手を離れるまで塁を離れることは出来ない。 ・インプレイ中に投手がピッチャーズサークル(半径2.44m)内で球を持った 時は、走者は次の塁に進むか、直ちに現在の塁に戻らなければならない。 |
ピッチャーズサークルの役割 |
・半径が2.44mの円。 ・投手が球を捕球して、両足が完全に円の中にある状態で、塁上にいる走者が 塁を離れるとアウトになります。 ・塁間に走者がいた場合は、直ちに元の塁に戻る(帰塁)か、先の塁に進む (進塁)かしないといけません。 ・投球時にこの円から足が出たら不正投球であると誤解されている方もいますが、 投球時には円から足が出ても全く問題ありません。 |
無死または一死で走者が3塁 という場面です。 ここで、打者は四球を選び、安全進塁権1個を与えられました。 次の瞬間、打者走者は、猛然と1塁ベースに向かって走りだし、そのままオーバーランして2塁へ向かいました。 それを見た投手は球を2塁へ投げようとしますが、3塁走者が気になり投げることができず、結局打者走者に楽々2塁を与えてしまう結果となりました。 このプレイをはじめて見たとき、私は疑問を感じました。 離塁に関するルールからすると、ピッチャーズサークル内で投手が球を捕球しているので打者走者は、 本来であれば1塁で止まらないと離塁アウトではないかと思うのですが・・・・ このプレイのポイントは、四球の場合、まずボールインプレイ(試合進行球)だということです。 打者走者が、1塁上で止まるまたは、駆け抜けるといった 明らかに進塁する意思を見せないような行為をしなければ、危険を承知で2塁や3塁へ進む行為に 対しては進塁途中ということでプレイは続いており、離塁によるアウトは適用されないということです。 よって、塁間で止まったり、ゆっくりと2塁へ進んだり、戻るか進むか迷うような動きをしたとしても進塁行為として認められます。 違った見方をすれば、この行為で攻撃側は走者がアウトになるリスクを背負い、守備側は打者走者のアウトと引換えに、3塁走者による 得点を許してしまうかもというリスクを背負うことで、バランスがとれることになり、どちらにとって有利不利とはならないことからも 特に走者がアウトとなるようなプレイではないということが言えます。 つまり、離塁によるアウトは、攻撃側が有利になってしまことを防ぐ場合に適用されるルールということになります。 このケースでは、守備側からすれば、無死・一死、3塁で打者に四球を与えれば、2・3塁は覚悟しないといけない訳です。 覚え方とすれば、ピッチャーズサークル内で投手が球を持っているときは、単純に塁間にいる走者は帰塁するか進塁するかすれば 良いということを頭に入れておけば良いと思います。 但し、投手がセット(投球準備)に入れば、塁から離れていると『離塁アウト』が適用されます。 |
私が球審をしているときにこういうことがありました。 上と同じようなケースで、打者走者は1塁をオーバーランして塁間で止まり、投手が2塁へ投げようとしたので 一旦帰塁しかけて、結局投手が投げなかったために、再度2塁へ進塁しました。 ここで、守備側の監督からアピールがありました。 『打者走者が一旦1塁へ戻る行為をしたのだから、2塁への進塁は無効ではないか』というものでした。 私はタイムをとり、その行為については確認していたので、アピールを受け入れ、打者走者を1塁へ戻してプレイを再開しました。 しかし、このジャッジは、間違いです。 なぜなら、打者走者が戻るような行為をしようがしまいが、守備側はそれをアウトに出来たはずです。 にも係らず結果的に打者走者はアウトにならずに2塁へ進塁できたということは、守備側は打者走者をアウトにする間に3塁走者の得点を許してしまうのではというリスクを自らの判断で 回避した結果であるからです。 逆に攻撃側は場合によってはダブルプレイになるようなリスクを背負った訳であり、公平なプレイであるといえますので2塁への進塁は有効ということになります。 このことを裏付けるように、次の投球で結局1塁走者は、なんなく2塁へ盗塁しました。 つまり、攻撃側が再度リスクを背負い、守備側がリスクを回避する限り、結局は同じ結果になるので先ほどの場面での2塁進塁は 有効という判断にもなります。 |
《by 素人審判》 |